2023年05月10日
ひとしきり笑った
ひとしきり笑ったのち、局長があらためて進言する。
「やはり、道中はあぶのうございます。俊冬か俊春、もしくは、の腕利きを同道させていただけないでしょうか。の将軍には面識はなかったものの、そもそも、自身らはの将軍を警固するために集められ、京へ上りました。結局、なんのお役にも立つことかなわず・・・。此度は、せめてなにかさせてほしい」
局長は、せつせつと訴える。
ここまでいわれたら、静寛院も心を動かされたようである。
「そこのお二方は?
意外懷孕
安全期 安全期計算 隊士の方でしょうか?」
静寛院がおずおずと掌で示すのは、久吉と沢である。
二人とも、いまだ叩頭したままなので、それに気がついていない。
「はい。久吉は馬の口取りを、沢はわたしの身の回りの世話を・・・」
「このことは、あまりしられたくありません。将軍家のためにも。同道していただけるのでしたら、久吉殿と沢殿にお願いできないでしょうか。桃の井も、いいですね」
自分たちの名がでたもので、二人は、そこでようやく重大な任務をおおせつかったことに気がついたようである。をあげ、驚愕の叫びをあげる。
「いえいえ、無理でございます」
「わたしたちは、ただの雑用係でございます。とてもとても」
久吉も沢も、言葉に詰まりつつ固辞する。
「静寛院様、二人は日々、剣術の鍛錬に余念がなく、頭がよくて機転がききます。かならずや、桃の井様をお護りいたします」
副長が、その二人の言葉を制し、静かに推す。
「静寛院様、土方殿の申される通りでございます。この二人ならば、信におけます。桃の井様、道中のことは、どうかご安心召されよ」
そして、俊冬もまた・・・。
真っ赤になって俯く久吉と沢。
副長の機転である。
局長の善意ではあるが、新撰組に属しているというだけで、面倒が起こることは必定。
なにせ、京に戻るのである。
だが、隊士として活動しているわけでない二人なら、桃の井の威光に隠れてやりすごせるはず。
そして、毎日の鍛錬。二人は、隊士以上の量や内容をこなしている。
かなりの腕前であろう。なにかあれば、その腕と機転とで、かならずや桃の井を護りきるはず。
桃の井も承知してくれ、二人は同道することがきまる。
「生涯、主はもたぬと申していた二人が、みずから主を得たという気持ちが、よくわかります」
静寛院は、局長と副長に告げる。
二人というのは、双子のことか。でございます」
副長が双子に
「おそれながら、二人は勘違いしております。俊冬も俊春も、われわれの仲間、否、大切な
同時にを向けながら告げると、その横で局長もおおきくうなづく。
気恥ずかしそうにうつむく双子が、ちょっとかわいい。
「近藤様、土方様、かれらを頼みます」
しみじみとした、静寛院の言葉。
かのじょにとって、双子はどういう存在なんだろう。「ははっ」
ふたたび叩頭し、そのかのじょの願いを了承する局長と副長。
「あら、かわいらしい。あなたのことも、噂になっていますよ」
かわいらしい?
相棒に笑みをみせるかのじょをみつつ、その感性って、と苦笑する。
それにしても、どんだけ有名なんだ、相棒?「名は、兼定号。土方殿の愛刀「和泉守兼定」と、おなじ名でございます。そして、兼定号の相棒が、近藤殿と土方殿のうしろに控えし新撰組の隊士相馬主計君でございます」
俊冬のガチマジな紹介は、これが最初で最後かもしれない。
思わず感動しつつ、また深く上半身を折って叩頭する。
「異国の犬とか。京におりましたより、異国の犬は、毛玉のような犬しかみたことがありませぬ」
またまたでました、毛玉。
もちろん、かのじょに突っ込むような、禁忌は破らない。
「ドイツの犬でございます。兼定は、使役犬として
「やはり、道中はあぶのうございます。俊冬か俊春、もしくは、の腕利きを同道させていただけないでしょうか。の将軍には面識はなかったものの、そもそも、自身らはの将軍を警固するために集められ、京へ上りました。結局、なんのお役にも立つことかなわず・・・。此度は、せめてなにかさせてほしい」
局長は、せつせつと訴える。
ここまでいわれたら、静寛院も心を動かされたようである。
「そこのお二方は?
意外懷孕
安全期 安全期計算 隊士の方でしょうか?」
静寛院がおずおずと掌で示すのは、久吉と沢である。
二人とも、いまだ叩頭したままなので、それに気がついていない。
「はい。久吉は馬の口取りを、沢はわたしの身の回りの世話を・・・」
「このことは、あまりしられたくありません。将軍家のためにも。同道していただけるのでしたら、久吉殿と沢殿にお願いできないでしょうか。桃の井も、いいですね」
自分たちの名がでたもので、二人は、そこでようやく重大な任務をおおせつかったことに気がついたようである。をあげ、驚愕の叫びをあげる。
「いえいえ、無理でございます」
「わたしたちは、ただの雑用係でございます。とてもとても」
久吉も沢も、言葉に詰まりつつ固辞する。
「静寛院様、二人は日々、剣術の鍛錬に余念がなく、頭がよくて機転がききます。かならずや、桃の井様をお護りいたします」
副長が、その二人の言葉を制し、静かに推す。
「静寛院様、土方殿の申される通りでございます。この二人ならば、信におけます。桃の井様、道中のことは、どうかご安心召されよ」
そして、俊冬もまた・・・。
真っ赤になって俯く久吉と沢。
副長の機転である。
局長の善意ではあるが、新撰組に属しているというだけで、面倒が起こることは必定。
なにせ、京に戻るのである。
だが、隊士として活動しているわけでない二人なら、桃の井の威光に隠れてやりすごせるはず。
そして、毎日の鍛錬。二人は、隊士以上の量や内容をこなしている。
かなりの腕前であろう。なにかあれば、その腕と機転とで、かならずや桃の井を護りきるはず。
桃の井も承知してくれ、二人は同道することがきまる。
「生涯、主はもたぬと申していた二人が、みずから主を得たという気持ちが、よくわかります」
静寛院は、局長と副長に告げる。
二人というのは、双子のことか。でございます」
副長が双子に
「おそれながら、二人は勘違いしております。俊冬も俊春も、われわれの仲間、否、大切な
同時にを向けながら告げると、その横で局長もおおきくうなづく。
気恥ずかしそうにうつむく双子が、ちょっとかわいい。
「近藤様、土方様、かれらを頼みます」
しみじみとした、静寛院の言葉。
かのじょにとって、双子はどういう存在なんだろう。「ははっ」
ふたたび叩頭し、そのかのじょの願いを了承する局長と副長。
「あら、かわいらしい。あなたのことも、噂になっていますよ」
かわいらしい?
相棒に笑みをみせるかのじょをみつつ、その感性って、と苦笑する。
それにしても、どんだけ有名なんだ、相棒?「名は、兼定号。土方殿の愛刀「和泉守兼定」と、おなじ名でございます。そして、兼定号の相棒が、近藤殿と土方殿のうしろに控えし新撰組の隊士相馬主計君でございます」
俊冬のガチマジな紹介は、これが最初で最後かもしれない。
思わず感動しつつ、また深く上半身を折って叩頭する。
「異国の犬とか。京におりましたより、異国の犬は、毛玉のような犬しかみたことがありませぬ」
またまたでました、毛玉。
もちろん、かのじょに突っ込むような、禁忌は破らない。
「ドイツの犬でございます。兼定は、使役犬として
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14:52
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2023年05月02日
の情勢は、まずいか?」
の情勢は、まずいか?」
副長は、俊冬が新撰組をかばっていることに気がついている。
「正直なところ、新撰組の威光は、京においてのみのもの。江戸では、荒くれ者の集団、としか評価されていないようです。会津候と桑名少将が、江戸城への登城を拒否されている以上、後ろ盾もございません。主計によれば、上様はすぐにでも謹慎される、と。さすれば、会津候と桑名少将は、会津にまいられるかと。そして、われらは敵の東征をとどめるため、甲府に進軍・・・。われわれだけでなく、ほかの諸隊も敵の東征阻止に、各地に派遣されるでしょう。それらはおそらく、勝先生が、主戦派や組織を江戸からできるだけ遠ざけるためのどんと密会し、上様の助命、江戸城お江戸の町を救う算段をするかと」
さすがは俊冬。おれのはしょった歴史的出来事の羅列を、完璧に理解し、推測している。
「こむずかしいことは抜きにして、わたしたちはどうすればよい?」
斎藤が、yaz避孕藥
yaz避孕藥
yaz避孕藥 さわやかな笑みとともに尋ねる。
その笑みは、こんな状況であるにもかかわらず、どこか癒してくれる。。その間に、勝先生は、
「まずは、史実通りに進軍できるか、です。夕刻、ざっと探りをいれただけですが、このままだと新撰組の存在すら、口の端にのぼることもありますまい。さきほどのわれらの三文芝居で、勝先生は新撰組がただの荒くれではない、と判断されたでしょう。ほかの諸隊同様扱ってくれれば・・・」
勝は、局長と副長が、「眠り龍」と「狂い犬」をてなづけるだけの器量があると判断したであろう。
「ああ、おめぇの申す通りだ、俊冬。おれの認識不足にくわえ、思慮が甘く、足りなかった。認めざるをえん。でっ、かような状況で、どうやってを認めさせるってんだ?」
奇妙な間。そして、沈黙。
「副長、申し訳ございません。われらにはわれらのやり方、というものがございます。副長が、それをお知りになる必要もござりませぬ」
俊冬は、やわらかい笑みとともにつづける。全員にを向けつつ。
「副長、つねに堂々とされてください。これまでの新撰組の功績は、けっして過小なものでも恥じ入るものでもござりませぬ。副長や局長だけではありませぬ。みなさま方も同様。それらを誇り、前向きに構えてください」
そのとき、原田が咳ばらいを一つする。
副長のが、そちらへ向く。瞬き以下の間、二人のが絡み合う。
「お案じ召さるな。お願いするだけでございます。なにも荒っぽいことや、やましいことをするわけではござりませぬ」
その二人の様子に、俊冬が静かにつけ足す。「で、「眠り龍」って、どういう意味なんだ?その名のごとし、ってか?まったく、おまえたちは、あー、なんだっけか?主計、こいつらみたいなのを、なんつったらいい?」
永倉が、この場の空気をわかっていてかいなくてか、おどけたように尋ねてくる。
「ミステリアス、です。永倉先生。謎めいてる、っておっしゃりたいんですよね?」
「おお、それだそれ。ミス?ミス・テリアス?」
「ミステリアス。いっきにいってください。でないと、テリアスさんっていう女性を呼ぶときみたいです」
「永倉先生、二つ名に意味はございません。「眠り龍」など、「三国志演義」をよまれたどなたかが、それっぽくいいだしたにちがいありませぬ。ところで、今後、恰好をどうされますか?」
俊冬は、なにがなんでも「眠り龍」の話題には触れられたくないらしい。まったくちがう話題をふる。
「恰好?」
副長と、三人の組長が叫ぶ。
「どういう意味だ?恰好って・・・」
「たとえば、ねじり鉢巻き、褌一丁で、敵の銃砲火のなかを駆けまわるってことです、永倉先生」
永倉の問いに、至極真面目なで提案する俊冬。
そのあまりにもさらりとした口調に、副長たちはそれがメジャーな戦闘服とでも思ったのか、驚きの声一つでない。それとも、ぐうの音もでない、というのか。
「いえ、俊冬殿。それは、あなた方兄弟の専売特許、ブランドですよね?」
冷静に突っ込みをいれる、おれ。
専売特許と、ブランドの意味を説明する。
「ふむ・・・。たしかに、あまりに真似てもらいたくないな。あの恰好は、敵味方関係なく、あまりにも意表をつきすぎてウケがいい」
なにい?そこなのか、俊冬?
ドレスコードやコンプライアンス違反を超え、もはや公序良俗違反である。
さらには、歴史のカテゴリーからおおはばに逸脱してしまう。
副長は、俊冬が新撰組をかばっていることに気がついている。
「正直なところ、新撰組の威光は、京においてのみのもの。江戸では、荒くれ者の集団、としか評価されていないようです。会津候と桑名少将が、江戸城への登城を拒否されている以上、後ろ盾もございません。主計によれば、上様はすぐにでも謹慎される、と。さすれば、会津候と桑名少将は、会津にまいられるかと。そして、われらは敵の東征をとどめるため、甲府に進軍・・・。われわれだけでなく、ほかの諸隊も敵の東征阻止に、各地に派遣されるでしょう。それらはおそらく、勝先生が、主戦派や組織を江戸からできるだけ遠ざけるためのどんと密会し、上様の助命、江戸城お江戸の町を救う算段をするかと」
さすがは俊冬。おれのはしょった歴史的出来事の羅列を、完璧に理解し、推測している。
「こむずかしいことは抜きにして、わたしたちはどうすればよい?」
斎藤が、yaz避孕藥
yaz避孕藥
yaz避孕藥 さわやかな笑みとともに尋ねる。
その笑みは、こんな状況であるにもかかわらず、どこか癒してくれる。。その間に、勝先生は、
「まずは、史実通りに進軍できるか、です。夕刻、ざっと探りをいれただけですが、このままだと新撰組の存在すら、口の端にのぼることもありますまい。さきほどのわれらの三文芝居で、勝先生は新撰組がただの荒くれではない、と判断されたでしょう。ほかの諸隊同様扱ってくれれば・・・」
勝は、局長と副長が、「眠り龍」と「狂い犬」をてなづけるだけの器量があると判断したであろう。
「ああ、おめぇの申す通りだ、俊冬。おれの認識不足にくわえ、思慮が甘く、足りなかった。認めざるをえん。でっ、かような状況で、どうやってを認めさせるってんだ?」
奇妙な間。そして、沈黙。
「副長、申し訳ございません。われらにはわれらのやり方、というものがございます。副長が、それをお知りになる必要もござりませぬ」
俊冬は、やわらかい笑みとともにつづける。全員にを向けつつ。
「副長、つねに堂々とされてください。これまでの新撰組の功績は、けっして過小なものでも恥じ入るものでもござりませぬ。副長や局長だけではありませぬ。みなさま方も同様。それらを誇り、前向きに構えてください」
そのとき、原田が咳ばらいを一つする。
副長のが、そちらへ向く。瞬き以下の間、二人のが絡み合う。
「お案じ召さるな。お願いするだけでございます。なにも荒っぽいことや、やましいことをするわけではござりませぬ」
その二人の様子に、俊冬が静かにつけ足す。「で、「眠り龍」って、どういう意味なんだ?その名のごとし、ってか?まったく、おまえたちは、あー、なんだっけか?主計、こいつらみたいなのを、なんつったらいい?」
永倉が、この場の空気をわかっていてかいなくてか、おどけたように尋ねてくる。
「ミステリアス、です。永倉先生。謎めいてる、っておっしゃりたいんですよね?」
「おお、それだそれ。ミス?ミス・テリアス?」
「ミステリアス。いっきにいってください。でないと、テリアスさんっていう女性を呼ぶときみたいです」
「永倉先生、二つ名に意味はございません。「眠り龍」など、「三国志演義」をよまれたどなたかが、それっぽくいいだしたにちがいありませぬ。ところで、今後、恰好をどうされますか?」
俊冬は、なにがなんでも「眠り龍」の話題には触れられたくないらしい。まったくちがう話題をふる。
「恰好?」
副長と、三人の組長が叫ぶ。
「どういう意味だ?恰好って・・・」
「たとえば、ねじり鉢巻き、褌一丁で、敵の銃砲火のなかを駆けまわるってことです、永倉先生」
永倉の問いに、至極真面目なで提案する俊冬。
そのあまりにもさらりとした口調に、副長たちはそれがメジャーな戦闘服とでも思ったのか、驚きの声一つでない。それとも、ぐうの音もでない、というのか。
「いえ、俊冬殿。それは、あなた方兄弟の専売特許、ブランドですよね?」
冷静に突っ込みをいれる、おれ。
専売特許と、ブランドの意味を説明する。
「ふむ・・・。たしかに、あまりに真似てもらいたくないな。あの恰好は、敵味方関係なく、あまりにも意表をつきすぎてウケがいい」
なにい?そこなのか、俊冬?
ドレスコードやコンプライアンス違反を超え、もはや公序良俗違反である。
さらには、歴史のカテゴリーからおおはばに逸脱してしまう。
Posted by beckywong at
20:53
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