2018年11月08日

「やはり…どう考えても一条は終わりじゃて…。わしら

「やはり…どう考えても一条は終わりじゃて…。わしらは老い先短いからまだええが…若いもんは不憫じゃのぅ。」「ほんにのぅ…。」敗れた国の者達は、敵国に理解があればいくらか生活も安泰である億嘉國際maione、およそ以前のような生活は望めない事が常である。酷い場合は、殺されたり、奴隷のような扱いを受けたりする事も多く、家財が奪われる覚悟は当然の如く定めねばならかった。しかし、そんな敗色濃厚な状況の中でも、この鍛冶場の長である芝辻清右衛門とGは、火縄銃を手に職人を指揮し、逃げ込んできた町民を守っていたのである。そして今、パァン!!という音を響かせ、職人とともに外の敵兵を打ち続けているGは、火縄銃の硝煙を身に纏(まと)いながら、込みあがる怒りを押さえ込む事に必死になっていた。(はぁ…。はぁ…。くそっ!長宗我部の野郎どもが!)Gは、歯噛みをしながら、火縄銃に玉を詰め直す。すると、その間にも、「誰かぁあ!!誰か助けてぇえ!!」「ぎゃぁあ!!」「こんな思いさせるくらいなら人思いに殺せぇええ!」外から町民達の悲痛な叫びが聞こえてくる。



Posted by beckywong at 22:05│Comments(0)
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