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2023年08月21日

さんを、不安にさせてしまう

さんを、不安にさせてしまう。

「まったく。主計、精神力がなさすぎであるぞ」
「はい?あなたがたと同様にできるわけないですよ」

 そうきり返したものの、たしかに俊冬のいう通りである。島田がのるというのは兎も角、数分でギブアップするには『精神力弱っ!』であろう。

 がんばってみた。想像していた時間の三倍は耐えた。

 もっとも、双子はたがいに肩の上にのりあい、
https://freelance1.hatenablog.com/entry/2023/08/20/002648?_gl=1*1123u0b*_gcl_au*NDk5MTMyMTEwLjE2OTI0NTg3NDE. https://ameblo.jp/freelance12/entry-12816920007.html
https://www.liveinternet.ru/users/freelance12/post500762225// それぞれ30分ずつほどやってきりあげていた。最後まで、ぴくりともゆるぎなくエアーチェアをつづけられるなんて、『どんだけ脚が強いんだ』と、感心をとおりこして呆れてしまう。

 おつぎは倒立。おれも、一応はできる。しかし、ここでも双子の倒立は尋常ではない。両親指二本で倒立するばかりか、その足の裏の上にどちらかがのり、その上で腕立て伏せのごとく腕を曲げるのである。曲げて伸ばしてを永遠につづける。親指、腕そのものが強い、だけで片付けられるものではない。
 くわえて、足の裏にのるほうは、バランス感覚もすごいってことになる。さらには、倒立をする側がぜったいにもちこたえられるという、信頼関係がなければならない。

 それにしても、これだけ常人ばなれしたトレーニングの数々をこなしているというのに、双子の体がマッチョじゃないというのも、不可思議な話であろう。

「筋肉がつきにくい、なのであろうな。それに、食べるものにも気をつけておるゆえ」

 俊冬が疑問に答えてくれた。

『ハードゲイナー』という言葉がある。誤解のないようにいうと、よんで字のごとしではない。
 
 筋トレをしても、筋肉がつきにくい人のことである。
 逆三角形に憧れているとか、マッチョを目指しているとかで、スポーツジムでトレーニングをし、プロテインを摂取したり、たゆまぬ努力をつづけているにもかかわらず、その成果が視覚できずに「細っ!」っていわれてしまう。そういう人のことを示す言葉である。
 まぁ、そういう体質なのかもしれないが、筋肉をつけたい人にとっては、気の毒以外のなにものでもないだろう。

 双子が、「ハードゲイナー」かどうかは別にして、筋肉がつかないよう食事にも気をつけているというのが、さすがでかる。

 ってか、食事するんだ、と単純に驚いてしまう。このまえ、俊冬が『霞を食べる』みたいなことをいっていたが、双子だったら、それもありかなって納得してしまっていた。

「われらにとっては、肉も筋肉も動くのに邪魔なだけであるからな」

 たしかに、俊冬のいうとおりである。

「本来なら、このあとに組手、それから素振りをするのだが・・・。さすがに、それらは気のがこれまでとはかわってしまう。花子は無論のこと、ほかの牛馬たちも怯えてしまうゆえ、今宵はこれまでということにしておこう」
「いえ、たま。これだけやったら、充分すぎますよ。この上、まだやるのでしたら、夜が明けてしまいます。ってか、寝る暇ないじゃないですか」

 このルーティンなら、確実に夜が明ける。しかも、かれらは朝餉の準備もある。

 眠る暇など、あろうはずもない。「鉄と銀は、飽きて眠ってしまったようだ」
「たま、そろそろのようですぞ」

 花子の馬房から、俊春がでてきて告げる。

 すぐに子どもらを起こし、島田が母屋のほうへとしらせにはしる。

 陣痛がおきているという。いよいよ、である。

 子どもらが眠いをこすりつつ、馬房の柵によってきたのと、島田のしらせで局長、副長、金子と金子家の小者が、母屋から駆けつけたのがほぼ同時であった。

 局長と副長と島田と金子は、相棒と子どもらととともに柵の外で、小者と安富とおれは、双子とともに馬房のなかについて入る。

 花子は、馬房内をぐるぐるまわっている。ちいさなは、うるうるとうるんでいる。そのうち、涙がこぼれはじめた。
 みているこちらも、痛いであろうことが容易に感じられる。が、しょせん、おれも男。産みの苦しみというのがいかなるものか、わからない。
 こればかりは、一生かかっても理解できないことである。

 俊春が花子により添い、ぐるぐるあるきながらやさしく声をかけている。そして、その一人と一頭の様子を、俊冬は形のいい顎に指をあて、じっとみつめている。その眉間には、副長ほどではないにしろ、皺が何本か刻まれている。

「花子は、出産時はいつも腹部がかようにおおきいのでしょうか?」

 どのくらいの 俊春が励まし、思いっきり叩いた瞬間、俊冬が縄を思いっきりひっぱる。すると、ずるりとでてきた。びっくりするほど、あっけなく。

「ぽちっ!いきませろ」

 その俊冬の鋭い声ではっとしてしまう。

「安富先生、仔の羊膜をとってください。主計は、藁で仔の
  


Posted by beckywong at 18:54Comments(0)