2024年04月12日
一之助の申し出に三津は口を半開きでぽかんとした。
一之助の申し出に三津は口を半開きでぽかんとした。
「俺とじゃ嫌か。」
「いえ!一之助さんに誘ってもらえると思わんくて……。あっ文さんに年末年始どうしはるか聞いときます!」
今から楽しみとにこにこする三津を前に,誘った自分への驚きが隠せなかった。誘っといて何だが二人きりで行くのだろうかと疑問に思った。
その日仕事を終えて家に戻った三津は,夕餉を食べながら文に初詣の話をした。
「へぇ。一之助さんと初詣。いいやん二人で行っておいで。」
「えっ二人なんですか?」 https://johnsmith786.mystrikingly.com/blog/cd3f9a7c860 https://johnsmith786.livedoor.blog/archives/2531199.html https://community.joomla.org/events/my-events/er-renno-shiyake-motchokantoiken.html
「二人やないの?一之助さんそのつもりで誘ってきたんやないそ?うちは母と妹達と行くけ二人で行っておいでよ。」
これは入江に報告案件だと口角を上げた。心の中でいい話題提供ありがとうと一之助に感謝した。
萩から戻った入江は口角が上がりっぱなしだった。一日半とは言え,久方ぶりに三津と過ごした時間を思い出せば嫌でもにやける。
訓練の時以外はずっとにやにやしている。夕餉を食べる今も嬉しそうな顔をしている。
「鼻歌まで歌って。」
隣りで赤禰がその幸せを分けてくれとぼやいた。ついて行きたかったのにそれを却下した高杉を横目で睨んだ。
「なぁ九一抱いたんか?」
高杉の単刀直入な質問にご機嫌だった入江は心底嫌そうな顔を向けた。
「抱いとらん。」
「は!?何でや。嘘やろ?何しに行ったん?」
高杉と山縣は何の為の暇だと食ってかかった。こっちはその土産話を楽しみに待ってたんとぞと怒り始めた。
「会いに行っただけや。」
「嘘やろ。そんなに機嫌いい癖に何もない訳ないやろ。何や三津さん良すぎて言いたくないんか?俺らに教えたくないそう言う事か!?」
「でかい声でそんなん言うな。それでも私は有意義な時間を過ごしたそ。」
どんなに不機嫌になってもそれを思い出せば顔はにやける。
『明日には文を出さんと。』
「随分とご機嫌だな。」
落ち着き払った低い声に入江は箸を止めて顔を上げた。
「そりゃ生きてりゃ機嫌のいい日ぐらいありますよ。木戸さん。いつお戻りに?」
広間は一瞬にして静まり返った。その様子に随分と嫌われたもんだねと笑って入江の正面に腰を下ろした。
「何か報告か?」
さっきの会話を聞かれてたのかと冷や冷やしながら高杉は平静を装って口を挟んだ。
「あぁ。西郷との会合の日取りが決まった。年明けに京の小松帯刀邸だ。」
気が重いと深い溜息をついた。
「三津が居てくれたら……。」
そればかりがずっと頭の中を巡っている。「木戸さん,三津はもう一月以上音沙汰無しです。現実を受け入れたらどうですか?気晴らしに女でも買ったらいい。」
桂は淡々と言い放つ入江を睨みつけた。
「三津以外に触れる気は一切ない。同じ過ちを繰り返すつもりはない。」
「もう遅いですけどね。三津は居ないんですから。」
入江はご馳走様と手を合わせて広間を出た。これ以上桂と話すことはない。
桂は両手で顔を覆って大きな溜息をついた。
「三津は文ちゃんのところに居るんだね?無事なんだね?それだけ分かればもういい……。」
だから安心させてくれと高杉に懇願した。絞り出すような声で頼むと言われて高杉と赤禰は顔を見合わせた。
「木戸さん,それは自分で確かめんといけん。今はそんな場合やないのは分かっちょるけど……。
俺から言えるのは……便りがないのは元気な証拠……とでも思っといたらいいと思う。」
高杉からの言葉に桂はそうかとうっすら笑みを浮かべた。
「俺とじゃ嫌か。」
「いえ!一之助さんに誘ってもらえると思わんくて……。あっ文さんに年末年始どうしはるか聞いときます!」
今から楽しみとにこにこする三津を前に,誘った自分への驚きが隠せなかった。誘っといて何だが二人きりで行くのだろうかと疑問に思った。
その日仕事を終えて家に戻った三津は,夕餉を食べながら文に初詣の話をした。
「へぇ。一之助さんと初詣。いいやん二人で行っておいで。」
「えっ二人なんですか?」 https://johnsmith786.mystrikingly.com/blog/cd3f9a7c860 https://johnsmith786.livedoor.blog/archives/2531199.html https://community.joomla.org/events/my-events/er-renno-shiyake-motchokantoiken.html
「二人やないの?一之助さんそのつもりで誘ってきたんやないそ?うちは母と妹達と行くけ二人で行っておいでよ。」
これは入江に報告案件だと口角を上げた。心の中でいい話題提供ありがとうと一之助に感謝した。
萩から戻った入江は口角が上がりっぱなしだった。一日半とは言え,久方ぶりに三津と過ごした時間を思い出せば嫌でもにやける。
訓練の時以外はずっとにやにやしている。夕餉を食べる今も嬉しそうな顔をしている。
「鼻歌まで歌って。」
隣りで赤禰がその幸せを分けてくれとぼやいた。ついて行きたかったのにそれを却下した高杉を横目で睨んだ。
「なぁ九一抱いたんか?」
高杉の単刀直入な質問にご機嫌だった入江は心底嫌そうな顔を向けた。
「抱いとらん。」
「は!?何でや。嘘やろ?何しに行ったん?」
高杉と山縣は何の為の暇だと食ってかかった。こっちはその土産話を楽しみに待ってたんとぞと怒り始めた。
「会いに行っただけや。」
「嘘やろ。そんなに機嫌いい癖に何もない訳ないやろ。何や三津さん良すぎて言いたくないんか?俺らに教えたくないそう言う事か!?」
「でかい声でそんなん言うな。それでも私は有意義な時間を過ごしたそ。」
どんなに不機嫌になってもそれを思い出せば顔はにやける。
『明日には文を出さんと。』
「随分とご機嫌だな。」
落ち着き払った低い声に入江は箸を止めて顔を上げた。
「そりゃ生きてりゃ機嫌のいい日ぐらいありますよ。木戸さん。いつお戻りに?」
広間は一瞬にして静まり返った。その様子に随分と嫌われたもんだねと笑って入江の正面に腰を下ろした。
「何か報告か?」
さっきの会話を聞かれてたのかと冷や冷やしながら高杉は平静を装って口を挟んだ。
「あぁ。西郷との会合の日取りが決まった。年明けに京の小松帯刀邸だ。」
気が重いと深い溜息をついた。
「三津が居てくれたら……。」
そればかりがずっと頭の中を巡っている。「木戸さん,三津はもう一月以上音沙汰無しです。現実を受け入れたらどうですか?気晴らしに女でも買ったらいい。」
桂は淡々と言い放つ入江を睨みつけた。
「三津以外に触れる気は一切ない。同じ過ちを繰り返すつもりはない。」
「もう遅いですけどね。三津は居ないんですから。」
入江はご馳走様と手を合わせて広間を出た。これ以上桂と話すことはない。
桂は両手で顔を覆って大きな溜息をついた。
「三津は文ちゃんのところに居るんだね?無事なんだね?それだけ分かればもういい……。」
だから安心させてくれと高杉に懇願した。絞り出すような声で頼むと言われて高杉と赤禰は顔を見合わせた。
「木戸さん,それは自分で確かめんといけん。今はそんな場合やないのは分かっちょるけど……。
俺から言えるのは……便りがないのは元気な証拠……とでも思っといたらいいと思う。」
高杉からの言葉に桂はそうかとうっすら笑みを浮かべた。
Posted by beckywong at 00:44│Comments(0)