2024年03月11日
吉田がろくな事を考えてないのは分かって
吉田がろくな事を考えてないのは分かっていたがこれは到底許されない。桂は額に青筋を浮かべて三津見下ろした。
睨まれた三津は今にも泣きそうな顔で小刻みに震えている。違う違うと口をパクパク動かしながらふるふる首を横に振る。
「いつまで稔麿に乗っている。」
低く冷たい声に一層体をビクッと跳ねさせ慌てて吉田から下りて更に部屋の奥へ下がって正座した。
「どこぞの鬼のような顔しないでくださいよ。俺は日々の疲れを癒やしてもらってただけじゃないですか。」
吉田は寝そべったままで挑発するように桂を見上げた。http://janessa.e-monsite.com/blog/--103.html https://www.evernote.com/shard/s514/sh/afb5f38c-2783-0403-ced4-218ac454f9f1/VhmNjLgHnO6ByV3SgHlI3ESsNx4IVbpnXb79n0S3CbJL3o32HsJe_DHg3Q https://classic-blog.udn.com/a440edbd/180359447
「桂さん駄目ですよ挑発に乗っちゃ。稔麿はどうせ我々が聞き耳立てるの想定して三津さんに按摩を頼んでわざとらしく声を出してたんですから。」
ここは脅えきった可愛い妹を庇ってやらねばなるまいと久坂がずいっと前に出た。
「そうですよこれは完全に稔麿にしてやられてますよ。だってめっちゃ硬いとかここまでよく我慢したとかもうアレ連想させる事ばっか……。」
「それ言ったの私やし入江さんの発想が卑猥っ!」
三津は顔を真っ赤にして側にあった座布団を入江めがけて投げつけた。
まさかそんな風に聞こえてたとは。三津は畳に手をついて項垂れた。
「いいなぁ稔麿気持ち良かったんだ。」
入江は投げつけられた座布団を抱えていいなぁいいなぁと連呼した。
三津は聞こえないくらいの小さな唸り声を上げた。
さっきは好意に気付かないふりをすればいいと言っていた奴が何を言う。
「稔麿もういいだろ。三津も部屋に戻りなさい。」
小言を言いたいのは山々だが吉田の挑発に乗るのは避けたい。それに部屋に三津を連れ込んで説教しようにも夜に部屋で二人きりになるのは他の藩士に示しがつかない。藩邸じゃなければ説教長時間の刑だったのに。
「三津ありがとうだいぶ解れたよ。」
吉田は起き上がって胡座をかいて肩をぐるぐる回して満足げに目を細めた。それには三津の表情も少しだけ解れた。
「お役に立てたなら良かったです。小五郎さんもまたしますから。」
「いいなぁ桂さんも三津さんで気持ち良くなれるのかぁ。」
「入江さんの言い方は悪意の塊ですね。」
にまにま笑う入江を相手にしてはならないと分かっているが,聞き捨てならぬと三津は口を尖らせた。本当に厄介な人だ。
それからと言うもの三津はすっかり入江の戦術にはまってしまった。気付かないふりをしようとすればするほど変に入江を意識する。
これはもう顔を合わさないようにするしかないと藩邸内を逃げ回るも悉く見つかる。
「あれ,また会いましたね。」
「おや,奇遇ですね。」
白々しい言葉と腹黒い笑みと共に現れては頬を撫でたり手に触れたりして居なくなる。その度その手を叩き落として睨みつけるが怯むどころか寧ろ嬉しそうに悦の表情をされてしまう。
『こうなったら……。』
三津にも考えがある。
「アヤメさんこれ手伝ってもらえません?」
「アヤメさんお菓子一緒に食べましょ!」
入江が最も避けたいのはアヤメとの関係が進展すること。ならばそのアヤメと共に過ごして自ずと入江もアヤメとの時間が増えるようにしてやろうじゃないか。
そしておとずれたお花見の日。その日も三津はアヤメの隣を陣取った。来れるもんなら来るがいい。私と同じ苦しみを味わってもらおうじゃないか。
「……狡いなぁ。」
「何がです?」
アヤメが少し三津から離れた隙を見て入江はすかさず隣りにやって来た。三津はつんと顔を逸した。
「分かりました,これからは自重しますから。ちゃんと相談相手の立場を弁えます。」
「……分かってくれたならいいんです。」
「二人で何の話?最近やたら九一の距離が近い気がするんだけど?」
突然間に入って来た吉田に三津は少し狼狽えた。入江と二人で居る所に来られるのは心臓に悪い。嫌でも目が泳ぐ。
「桂さんといい稔麿といい……。三津さんは話し相手すら選べないんだな。いいよ,大した話なんてしてないから。たまにはアヤメさんの相手してあげようかねぇ。」
感情の読めない笑顔を作った入江は潔く吉田に自分の位置を明け渡した。
「油断も隙もない。」
吉田は不機嫌にふんと鼻を鳴らして入江の背中を睨んだ。三津はどうするんだろうと入江の背中を目で追った。
入江はアヤメの横にさり気なく近寄って,髪についた花びらを取ってそれを手のひらに乗せてやっている。アヤメが挙動不審になったのは言うまでもない。
久坂とサヤは二人から徐々に距離を取ってそれをにやにや眺めていた。
『アヤメさん可愛いなぁ。』
もじもじしてあわあわして大忙しのアヤメを見ながら三津は頬を緩めた。
睨まれた三津は今にも泣きそうな顔で小刻みに震えている。違う違うと口をパクパク動かしながらふるふる首を横に振る。
「いつまで稔麿に乗っている。」
低く冷たい声に一層体をビクッと跳ねさせ慌てて吉田から下りて更に部屋の奥へ下がって正座した。
「どこぞの鬼のような顔しないでくださいよ。俺は日々の疲れを癒やしてもらってただけじゃないですか。」
吉田は寝そべったままで挑発するように桂を見上げた。http://janessa.e-monsite.com/blog/--103.html https://www.evernote.com/shard/s514/sh/afb5f38c-2783-0403-ced4-218ac454f9f1/VhmNjLgHnO6ByV3SgHlI3ESsNx4IVbpnXb79n0S3CbJL3o32HsJe_DHg3Q https://classic-blog.udn.com/a440edbd/180359447
「桂さん駄目ですよ挑発に乗っちゃ。稔麿はどうせ我々が聞き耳立てるの想定して三津さんに按摩を頼んでわざとらしく声を出してたんですから。」
ここは脅えきった可愛い妹を庇ってやらねばなるまいと久坂がずいっと前に出た。
「そうですよこれは完全に稔麿にしてやられてますよ。だってめっちゃ硬いとかここまでよく我慢したとかもうアレ連想させる事ばっか……。」
「それ言ったの私やし入江さんの発想が卑猥っ!」
三津は顔を真っ赤にして側にあった座布団を入江めがけて投げつけた。
まさかそんな風に聞こえてたとは。三津は畳に手をついて項垂れた。
「いいなぁ稔麿気持ち良かったんだ。」
入江は投げつけられた座布団を抱えていいなぁいいなぁと連呼した。
三津は聞こえないくらいの小さな唸り声を上げた。
さっきは好意に気付かないふりをすればいいと言っていた奴が何を言う。
「稔麿もういいだろ。三津も部屋に戻りなさい。」
小言を言いたいのは山々だが吉田の挑発に乗るのは避けたい。それに部屋に三津を連れ込んで説教しようにも夜に部屋で二人きりになるのは他の藩士に示しがつかない。藩邸じゃなければ説教長時間の刑だったのに。
「三津ありがとうだいぶ解れたよ。」
吉田は起き上がって胡座をかいて肩をぐるぐる回して満足げに目を細めた。それには三津の表情も少しだけ解れた。
「お役に立てたなら良かったです。小五郎さんもまたしますから。」
「いいなぁ桂さんも三津さんで気持ち良くなれるのかぁ。」
「入江さんの言い方は悪意の塊ですね。」
にまにま笑う入江を相手にしてはならないと分かっているが,聞き捨てならぬと三津は口を尖らせた。本当に厄介な人だ。
それからと言うもの三津はすっかり入江の戦術にはまってしまった。気付かないふりをしようとすればするほど変に入江を意識する。
これはもう顔を合わさないようにするしかないと藩邸内を逃げ回るも悉く見つかる。
「あれ,また会いましたね。」
「おや,奇遇ですね。」
白々しい言葉と腹黒い笑みと共に現れては頬を撫でたり手に触れたりして居なくなる。その度その手を叩き落として睨みつけるが怯むどころか寧ろ嬉しそうに悦の表情をされてしまう。
『こうなったら……。』
三津にも考えがある。
「アヤメさんこれ手伝ってもらえません?」
「アヤメさんお菓子一緒に食べましょ!」
入江が最も避けたいのはアヤメとの関係が進展すること。ならばそのアヤメと共に過ごして自ずと入江もアヤメとの時間が増えるようにしてやろうじゃないか。
そしておとずれたお花見の日。その日も三津はアヤメの隣を陣取った。来れるもんなら来るがいい。私と同じ苦しみを味わってもらおうじゃないか。
「……狡いなぁ。」
「何がです?」
アヤメが少し三津から離れた隙を見て入江はすかさず隣りにやって来た。三津はつんと顔を逸した。
「分かりました,これからは自重しますから。ちゃんと相談相手の立場を弁えます。」
「……分かってくれたならいいんです。」
「二人で何の話?最近やたら九一の距離が近い気がするんだけど?」
突然間に入って来た吉田に三津は少し狼狽えた。入江と二人で居る所に来られるのは心臓に悪い。嫌でも目が泳ぐ。
「桂さんといい稔麿といい……。三津さんは話し相手すら選べないんだな。いいよ,大した話なんてしてないから。たまにはアヤメさんの相手してあげようかねぇ。」
感情の読めない笑顔を作った入江は潔く吉田に自分の位置を明け渡した。
「油断も隙もない。」
吉田は不機嫌にふんと鼻を鳴らして入江の背中を睨んだ。三津はどうするんだろうと入江の背中を目で追った。
入江はアヤメの横にさり気なく近寄って,髪についた花びらを取ってそれを手のひらに乗せてやっている。アヤメが挙動不審になったのは言うまでもない。
久坂とサヤは二人から徐々に距離を取ってそれをにやにや眺めていた。
『アヤメさん可愛いなぁ。』
もじもじしてあわあわして大忙しのアヤメを見ながら三津は頬を緩めた。
Posted by beckywong at 18:21│Comments(0)