2018年08月13日

その調子で、翌日も、その翌日も、隆行は人を避けるよ

その調子で、翌日も、その翌日も、隆行は人を避けるように、夜歩いては、昼間に寝て、竜ヶ岳の麓の辺りまで来た。歩いて来た道は、次第に獣道のようになってきて、両脇は鬱蒼と木々が茂っている。(腹が減腹が減った。。。)もう二日何も食べていない。肩を落として、山に向かって歩いていた。隆行程の力があれば、強奪略奪は軽々出来るであろうが、それはこの男の信念に反する事であった。仲間がやるのは咎めないが、自分はやらない。それが自らのあり方だと思っていた。しかし、あまりの空腹に、その信念が揺らぐ頃、隆行に向かって声が発せられた。「こんな夜中に一人でどこ行くんだ?」風体の悪い男が四人、茂みの中から隆行に近づいてきた。(やっと来た!!!)隆行は心中で小躍りした。この辺りは、山が多く、木々も茂っている。その上、治安があまり良くないので、どこかに山賊や盗賊がいるはずだ、と隆行は予想していたのである。「兄さん。有り金全部置いてけや。それとも、命を置いてくか?」男達は隆行の心中も知らずニヤニヤとしている。



Posted by beckywong at 13:14│Comments(0)
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