2018年08月01日

信長率いる騎馬の一団は緩やかな丘をゆったりと駆けて

信長率いる騎馬の一団は緩やかな丘をゆったりと駆けていた。(どうせ同じ場所になど居らぬわ)信長がそう考えていると、「若!あの丘です!」伝令が丘を指差す。「あれか!」」居ないと考えていても、珍しい物好きの信長である。好奇心が予想を超え、信長は一気に馬を加速させ丘へ向かって疾駆した。「若!お待ちください!」「お一人で行かれては危険です!」周りの者は急な加速に驚き、声を上げながら馬を疾駆させるが、信長の馬は駿馬である。その差は徐々に広がっていった。高台の上。聞こえてくる馬蹄の音は、明らかに先ほどより数が多い。「腹を決めるしかねぇな。」隼人が二人に呟くと、三人はたっつんを守るように陣取った。徐々に、しかし、確実に馬蹄の音が近づいてきて、三人の鼓動がそれに合わせ高まる。遂に一人の騎馬が視界に入った。馬上の男は、半分崩れた朱色の鎧を纏い、左手には朱色の鞘の刀を持ち、履いてる物も朱色。朱色で統一された派手で、だらしない格好で現れた。そして、現れるなり四人を見て笑い始めた。「はっはっは!あいつらか!大人しく待っておったのか!!はっはっは!!」その様子を見た三人の瞳に怒りの色が灯った。何を言っているのかはわからないが、馬鹿にされているのはわかった。大切な友が重症にさせられた直後に、変な奴に笑われたのである。怒って当然だろう。しかし、三人は先程の騎馬武者が来るとばかり思っていたら、朱色の男が現れたのである。正体不明な相手に、とりあえず、相手の様子を伺っていた。



Posted by beckywong at 23:09│Comments(0)
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