2018年02月16日

"   転移魔方陣とは、魔力を流し、行"


 転移魔方陣とは、魔力を流し、行き先を念じることで、幾つか行ける特定の場所の内どこかに転移をすることができる魔方陣である。

 街と街を繋いで行き来出来るようにしたり、建物内の 日本物業投資 れぞれの階に繋ぎ、階段の上り下りをしなくてすむようにするために使用することが多い。

 ただし、農村や小さな街には設置されておらず、大きな街でしか見ることができないものである。

 それは、この転移魔方陣自体が難しいものであるのが原因だ。これを描ける者は、決して多いとはいえない。

 それから大抵のギルドにも、支部と本部を繋ぐためのものが設置されているが、緊急事態が起こったときのため、使用は制限されている。

 転移魔方陣は、普通に転移するのと比べ、特定の場所にしか行けないのが短所であるが、特定の場所になら魔力があれば行けるという長所を持っている。

 転移魔法はとても難しく、それをできる魔力を持っていても、習得できる者は極僅かだ。


「使い方はわかるでしょ?」


 有舞に訊ねられ、サキカは頷いた。首都に住む者なら、一度は利用したことがあるものである。


「うん」

「よし、ならいいわね。じゃああたしは先に行くから」


 サキカが頷くと、有舞は魔方陣の中に入り、魔力を流して転移して行った。

「ぼくも先にいくよ」


 続いてリリスも転移して行く。


「俺らもいくか」

「うん」


 ガイアとは階が同じだ。同時転移が可能である。ガイアと共に魔方陣に入り、行き先を思い浮かべる。魔力を流すと、視界が一気に変化した。

 慣れるまでは、転移で酔うという者は少なくない。サキカは転移で酔った経験はないが、ガイアは小さい頃よく酔って、気分が悪そうにしていたのを覚えている。

 狭い廊下を歩き出してから気がついた。レイトの存在を忘れてしまっていたことに。階が違うために同時転移はできないが、一言声をかけてから転移すべきであった。

 三人以上での会話に慣れていないせいで、そこまで気が回らなかったのだ。後で謝罪をしようと反省したサキカであった。





Posted by beckywong at 13:10│Comments(0)
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